【第86回オスカー受賞予想】第11回:主演男優賞

それでは、残る俳優部門の最後のひとつ。

⚫︎主演男優賞

こちらは比較的波乱も少ない部門。2000年から2003年の4年連続で、俳優組合賞との結果が異なりますが、他は15回の合致。
もっとも、
2000年はオスカーで助演候補だった『トラフィック』ベネチオ・デル・トロが組合賞勝ち、
2001年はオスカーの夜が明けた歴史的な受賞劇になり、
2002年は助演にしか見えない『ギャング・オブ・ニューヨーク』のダニエル・デイ=ルイスを主演プッシュする事態や、
2003年は何故かジョニー・デップ。

などなど。
波乱があるなら初めから荒れるのがこの部門の基本。

今年は『キャプテン・フィリップス』トム・ハンクスや、『オール・イズ・ロスト』ロバート・レッドフォードの候補入りが期待されましたが、
賞レースが始まると『それでも夜は明ける』キウィテル・イジョフォーの圧勝の連続。
賞レース終盤まで維持し続けるポテンシャルを兼ね備えていたが、ここに来て逆転候補の勢いが強すぎる。
『ダラス・バイヤーズクラブ』マシュー・マコノヒーだ。

・大幅な減量
・エイズ患者役
・昔のイメージを払拭する近年の好キャリア

とにかくオスカーが好みそうな看板を背負った彼がオスカーに輝く可能性が極めて高い。

気になる点は、助演男優賞の予想で同作品のジャレッド・レトを推したこと。
過去に主演男優賞と助演男優賞を同じ作品が獲ったのは、
第17回『我が道を往く』
第19回『我等の生涯の最良の年』
第32回『ベン・ハー』
第76回『ミスティック・リバー』
の4回だけ。
史上5度目の快挙か、どちらかが落とすか。


ちなみに途中まで大本命だったキウィテル・イジョフォー
黒人俳優の主演男優賞は過去に4度。シドニー・ポワチエから、デンゼル・ワシントンまでかなりの間が空いたが、ジェイミー・フォックスとフォレスト・ウィテカーが頂点に立っている。

おもしろいことに、近年3度の黒人俳優の受賞の年は必ず受賞者以外にもう一人黒人俳優が候補入りしているのだ。今年はキウィテル一人しかいない。



他の候補者を見てみよう。
助演男優賞受賞経験者の『アメリカン・ハッスル』クリスチャン・ベイルと、悲願のオスカーを狙う『ネブラスカ』ブルース・ダーン『ウルフ・オブ・ウォールストリート』レオナルド・ディカプリオだ。

まず助演男優賞経験者の主演男優賞成績だが、
デンゼル・ワシントン、ケヴィン・スペイシー、ロバート・デ・ニーロ、ジャック・レモンのみ。あとは主演→助演→主演と受賞しているジャック・ニコルソンのみなので、かなり錚々たるメンバーが揃う。ベイルにはまだ早い?


また、「悲願のオスカー」といわれるような役者で受賞できるのは、やはりある程度の年になってから。ポール・ニューマンだって名誉賞を獲った後に想定外の受賞でしたから。故にディカプリオはまだまだチャンスのある役者。同じ年にブルース・ダーンがいるならそっちに偏るだろう。



◎マシュー・マコノヒー『ダラス・バイヤーズクラブ』
ブルース・ダーン『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
レオナルド・ディカプリオ『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
キウィテル・イジョフォー『それでも夜は明ける』
クリスチャン・ベイル『アメリカン・ハッスル』




0 件のコメント:

コメントを投稿