【第86回オスカー受賞予想】第8回:助演女優賞

ここからは主要6部門の予想に入って行こうと思います。

俳優部門の予想の前に、参考になる俳優組合賞との兼ね合いで、この後重要になる「キャスト賞」とオスカーの関係を見ておきましょう。
「キャスト賞」は、俳優組合賞での最高賞なので、ある意味「作品賞」的な位置づけ。

過去のキャスト賞受賞作がオスカーでどうなったのか見てみましょう。

95年『アポロ13』→編集賞、音響賞(9部門候補)
96年『バードケージ』→受賞なし(1部門候補)
97年『フル・モンティ』→音楽賞(4部門候補)
98年『恋におちたシェイクスピア』→作品賞、主演女優賞、助演女優賞ほか7部門(13部門候補)
99年『アメリカン・ビューティー』→作品賞、監督賞、主演男優賞ほか5部門(8部門候補)
00年『トラフィック』→監督賞、助演男優賞ほか4部門(5部門候補)
01年『ゴスフォードパーク』→脚本賞(6部門候補)
02年『シカゴ』→作品賞、助演女優賞ほか6部門(12部門13候補)
03年『ロード・オブ・ザ・リング王の帰還』→作品賞、監督賞ほか11部門(11部門候補)
04年『サイドウェイ』→脚色賞(5部門候補)
05年『クラッシュ』→作品賞、脚本賞、編集賞(6部門候補)
06年『リトル・ミス・サンシャイン』→助演男優賞、脚本賞(4部門候補)
07年『ノーカントリー』→作品賞、監督賞、助演男優賞、脚色賞(8部門候補)
08年『スラムドッグ・ミリオネア』→作品賞、監督賞ほか8部門(9部門候補)
09年『イングロリアス・バスターズ』→助演男優賞(8部門候補)
10年『英国王のスピーチ』→作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞(12部門候補)
11年『ヘルプ』→助演女優賞(3部門4候補)
12年『アルゴ』→作品賞、脚本賞、編集賞(7部門候補)

近年は直結率が高くなってきています。今年の受賞は『アメリカン・ハッスル』だっただけに、気になる所。

さて、本題の助演女優賞です。



●助演女優賞


予想は一番最後に回し、今年の俳優組合賞の結果を踏まえると、過去19回で12回がオスカー受賞者が勝っているわけです。
またオスカー受賞者の組合賞候補止まりは5回で、2000年のマーシャ・ゲイ・ハーデンと2001年のジェニファー・コネリーの2人だけは組合賞候補入りしませんでした。

ちなみに今年は、『大統領の執事の涙』のオプラ・ウィンフリーが『ブルージャスミン』のサリー・ホーキンスになった以外、4人の候補者は組合賞と変わらず。
その中で勝っている『それでも夜は明ける』のルピタ・ニョンゴが一歩リードということで間違いはなさそう。

今年の候補者にはジェニファー・ローレンスとジュリア・ロバーツの二人がオスカー受賞経験者としているが、第9回から始まっているこの賞で、過去にオスカー受賞経験者が獲った例はわずか5回
しかも、主演女優賞経験者が助演を獲ったのはマギー・スミス、イングリッド・バーグマン、ヘレン・ヘイズのみだからこれはかなり分が悪い。

一方で、新人女優が受賞した例は一番最初の第9回『風雲児トラヴァーズ』のゲイル・ソンダガードをはじめとして多数あり、舞台女優からの転身や映画キャリアの浅い女優でも充分に受賞できる部門として知られているのである。

また、俳優部門の中で最も黒人俳優に寛容な部門であり、ハティ・マクダニエルを筆頭に過去に18人の候補者のうち5人が受賞している。
近年でもオクタヴィア・スペンサー、モニーク、ジェニファー・ハドソンが受賞している例もあって、ここは公平に戦うことができる最良の舞台なのではないだろうか。

ジューン・スキッブはキャリアはあるが知名度が低いので、もしかしたらこの部門に非常に適しているかもしれない上、受賞したら最年長記録更新になるのも気になる所。
サリー・ホーキンスに関しては過去に2度も有力作で候補を逃しているだけに、ここは候補入りしただけで充分だろう(もっとも、作品での存在感は充分だったが)



◎ルピタ・ニョンゴ『それでも夜は明ける』
ジューン・スキッブ『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
ジェニファー・ローレンス『アメリカン・ハッスル』
ジュリア・ロバーツ『8月の家族たち』
サリー・ホーキンス『ブルージャスミン』






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