つづいては、助演男優賞。
●助演男優賞
俳優組合賞では『ダラス・バイヤーズクラブ』のジャレッド・レトが勝ちましたが、まだ安泰とは言われておらず。
ちなみに今年のオスカー候補5人のうち、俳優組合賞との合致は3名。レトと、『それでも夜は明ける』のマイケル・ファスベンダー、『キャプテン・フィリップス』のバーカッド・アブディである。
過去の俳優組合賞の結果を見ると、19回で11人のオスカー受賞者を出している。半数以上が直結しているが、他の演技部門と比べると一回り直結率が低い気もする。
昨年の『ジャンゴ』クリストフ・ヴァルツは組合賞で候補にもあがらなかったが、過去のデータ上、組合賞でノミネートされなかった受賞者は彼のみ(2000年の『トラフィック』ベネチオ・デル・トロは組合賞主演部門を受賞していた)。
ということは、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のジョナ・ヒルと、『アメリカン・ハッスル』のブラッドリー・クーパーは最初に除外しても良さそうだ。
残る3人はいずれも初ノミネート。
近年でもクリストフ・ヴァルツやクリスチャン・ベールなど、初ノミネート初受賞の俳優が多数いるので、問題は無いだろう。
大きな問題は、この3人の誰が獲るか、である。
数年前は「悪役賞」との異名を取るくらい悪役が強かったこの部門。アントン・シュガー、ジョーカー、ハンス・ランダ大佐。
ところが、そのあとの近3年は、主人公の兄、父、そして協力者という主人公を支える位置づけのキャラクターばかり。
今年は悪役のアブディとファスベンダーに、協力者であるレト。
前哨戦のムードからして、レトの躍進に期待せざるを得ないだろう。
もっとも、対抗馬としてアブディが最有力ではあるが、助演両部門とも(予想段階で助演女優賞はニョンゴを選んだ)無名の黒人役者が獲るアカデミー賞は考えづらい。
とはいえ、黒人役者は過去16人が候補入りし、4度受賞している。82年ルイス・ゴセットJr.、89年デンゼル・ワシントン、96年キューバ・グッティングJr.、04年モーガン・フリーマン。基本的に7年か8年の間隔で実現しているから、今度は今年9年ぶりの受賞、なんてのも無い話ではないが、アカデミー賞ほどこの年数の法則が使えないものはない。
過去のキャリアと、作品評価をすべて加味しても、ジャレッド・レトがオスカーで評価される日が近いのではないだろうか。
◎ジャレッド・レト『ダラス・バイヤーズクラブ』
マイケル・ファスベンダー『それでも夜は明ける』
バーカッド・アブディ『キャプテン・フィリップス』
ジョナ・ヒル『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
ブラッドリー・クーパー『アメリカン・ハッスル』
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