次々と前哨戦がスタートして、完全に今年は乗り遅れた感じがしております。
とはいえ、いつも以上に混戦が続いていて、もはや予想のしようもないというのが現状です。
夏前に言われていた下馬評からは、予想もできない逆転が続いていたり、何でこの映画が?っていうようなこともしばしば。
とりあえずは、俳優部門の4つを占う上で最も重要な、俳優組合賞のノミネートと過去のデータを見ながら、本番の予想をしていきましょう。
まずは、これまでの俳優組合賞の候補一覧をご覧ください。
各年の一番上に赤字で書かれているのが受賞者です。
黄色に色づけされたのが、オスカーノミネート者。
黄緑色に色づけされたのがオスカー受賞者。
青に色づけされた二人は、助演部門で受賞。
オレンジ色に着色されたケイシャ=キャッスル・ヒューズは本番では主演の候補へ。
灰色に着色されたケイト・ウィンスレットは本番では主演を受賞しています。
さて。アンサンブル演技賞と作品賞の関連性は次回の記事で紹介するとして、まず昨年の結果がほぼ一致しているということ(2010年につづいて)、5枠が一致することはあまりないが、3〜4枠一致は高確率であることを踏まえて、各部門ごとに予想していきましょう。
<主演男優賞>
今年の俳優組合賞候補者は
ブライアン・クラストン『Trumbo』
ジョニー・デップ『ブラック・スキャンダル』
レオナルド・ディカプリオ『レヴェナント』
マイケル・ファスベンダー『スティーブ・ジョブズ』
エディ・レッドメイン『リリーのすべて』
とてもオスカー候補にこのまま上がるとは思えないほどにスター性の強い役者が揃っています。というのも、今年一番軸になる役者がいないのがこの部門。
部門としての特徴は、
・作品賞の候補作から来る可能性が高い
(作品賞枠が増えた近6年主演男優賞候補作と作品賞候補作の一致:2→4→3→3→5→5)
・実在の人物を演じた俳優が強い
(近6年の実在の人物を演じた俳優数:1→3→1→2→4→4)
そして昨年はエディ・レッドメインが受賞しましたが、これまでの5枠中のアメリカ人俳優の数をすべての回でまとめると、
5/5→10回
4/5→27回
3/5→29回
2/5→11回
1/5→2回
0/5→1回
と、1人か2人は外国人俳優が入ることになる可能性が高いです。
俳優組合賞の候補者から、少なくとも3人は本番につながる傾向があるということから、前哨戦の戦いぶりから考えても、
レオナルド・ディカプリオとエディ・レッドメインの候補入りはほぼ間違いないかと。
他に候補入り充分のコンテンダーは、
マット・デイモン『オデッセイ』
マイケル・ケイン『Youth』
ゲザ・レーリッヒ『サウルの息子』
とはいえ、今年のようにスターが並ぶときには、知名度の高くない俳優や、大御所俳優が入ることも多々あり、
たとえば2011年はアメリカでの知名度がゼロだったジャン・デュジャルダンが受賞し、デミアン・ビチルが候補入り。残りの3枠はジョージ・クルーニー、ゲイリー・オールドマン、ブラッド・ピットだった。
今年はゲザ・レーリッヒが突然候補に上がる可能性が捨てきれない。カンヌで話題になった『サウルの息子』で見せた、とてつもない演技。そして映画の作り上常に彼が映り続けるということもポイントアップにつながるのではなかろうか。
◎エディ・レッドメイン『リリーのすべて』
ゲザ・レーリッヒ『サウルの息子』
レオナルド・ディカプリオ『レヴェナント』
ジョニー・デップ『ブラック・スキャンダル』
マイケル・ファスベンダー『スティーブ・ジョブズ』
<主演女優賞>
俳優組合賞候補は以下のとおり
ケイト・ブランシェット『キャロル』
ブリー・ラーソン『Room』
シアーシャ・ローナン『Brooklyn』
ヘレン・ミレン『黄金のアデーレ』
サラ・シルヴァーマン『I Smile Back』
今年の女優部門で混迷を期してしまう最大の要因は、『キャロル』の二人がどういう分配になるのか。とりあえず現時点ではケイトが主演、ルーニーが助演という形になっているが、二人とも主演で上がる可能性も高い。
昨年の最初の予想で挙げた5人中、本番で4人(マリオン・コティヤール以外)を当てているので、それほど予想が難しくない部門であると思います。
なので、ケイト・ブランシェットと、ブリー・ラーソン、シアーシャ・ローナンは確定でしょう(きっぱり)
残りの2枠が、どう考えてもこの俳優組合賞と一致するとは思えないのです。
他に上がりそうな人を考えると、
リリー・トムリン『Grandma』
ジェニファー・ローレンス『Joy』
キャリー・マリガン『Suffragette』
そして、ルーニー・マーラ『キャロル』
この部門もまた、実在の人物に弱く、とはいえ一昨年とその前と2年続けてすべてフィクションのキャラクターで埋められたように、主演男優賞のように必ず入るとは言い難いのも事実。
今回のメンバーではジェニファー・ローレンスかキャリー・マリガンが実在の人物を演じているとはいえ。。。
ただ、今年はオーストラリア人のケイトと、アイルランド人のシアーシャがほぼ確実なので、残りの2枠はアメリカ人女優になる可能性が高い。
ケイト・ブランシェット『キャロル』
◎シアーシャ・ローナン『Brooklyn』
ブリー・ラーソン『Room』
リリー・トムリン『Grandma』
ジェニファー・ローレンス『Joy』
(or ルーニー・マーラ『キャロル』)
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