第89回アカデミー賞ノミネート予想:4

つづいては、映画の華となるデザイン系3部門です。

ここも一気にいってしまいましょう。


●美術賞
『ラ・ラ・ランド』
『メッセージ』
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
『ジャッキー ファーストレディ最後の使命』
『Hidden Figures』

まずそもそもがミュージカルなどの舞台装置を評する部門であったことを考えれば、『ラ・ラ・ランド』の独壇場は想像が容易だ。
重要な前哨戦としてある、美術監督組合賞は、「ピリオド」「コンテンポラリー」「ファンタジー」の3部門に分けられている。これまでの傾向的に「ピリオド」は圧倒的に弱いのだが、『ラ・ラ・ランド』は「ピリオド」部門。
となれば、残る枠は他の2部門から来る可能性が高い。
まずは「ファンタジー」部門では、近3年候補入りが続くSF美術の点で『メッセージ』が入る。また、過去にノミネート経験もあるスチュアート・クレイグが務める『ファンタスティック・ビースト』も強い。
一方で「ピリオド」部門、ここの取捨選択は難しいが、『ヘイル・シーザー』はコーエン兄弟作品がここだけで候補入りするなら全無視の可能性もあるとみて外す。『Fences』と『Hidden Figures』で悩み、後者を選ぶ。


●衣装デザイン賞
『ラ・ラ・ランド』
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
『マダム・フローレンス!夢見るふたり』
『ジャッキー ファーストレディ最後の使命』
『The Dressmaker』

いわゆる〝コスプレ〟映画が強いこの部門。とはいえ、一番期待していた『Love&Friendship』が組合賞候補漏れ。となると、『The Dressmaker』に俄然期待が高まる。同様に、『マダム・フローレンス』と『ジャッキー』も狙い目となる。
しかし、受賞はここでも『ラ・ラ・ランド』だろう。



●メイキャップ&ヘアスタイリング賞
『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』
『スタートレックBEYOND』
『スーサイド・スクワッド』

最終選考に残った7作品で、組合賞候補入りを果たしていないのは『幸せなひとりぼっち』と『The Dressmaker』の2作。5枠なら容易に決まりそうなのだが、残念ながらこの部門だけ3枠というわけだ。
特別メイキャップ効果賞のみにノミネートされた『デッドプール』を外すとなると4作。うーん。ここも『ヘイル・シーザー』を外すのがバランスが良いか。ピリオド部門で候補入りをしていた『ジャッキー』が、本戦で残らなかったというのは、それだけ『マダム・フローレンス』が強力だという証。たしかに、あのメリル・ストリープのメイクは素晴らしかった。





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