第27回東京国際映画祭の受賞結果を発表します。
<コンペティション部門>
○東京グランプリ
『神様なんかくそくらえ』(ジョシュア・サフディ&ベニー・サフディ監督/アメリカ=フランス)
○審査員特別賞
『ザ・レッスン/授業の代償』(クリスティナ・グロセヴァ&ペタル・ヴァルチャノフ監督/ブルガリア=ギリシャ)
○監督賞
ジョシュア・サフディ&ベニー・サフディ『神様なんかくそくらえ』(アメリカ=フランス)
○男優賞
ロベルト・ヴィエンツキェヴィチ『マイティ・エンジェル』(ヴォイテク・スマルゾフスキ監督/ポーランド)
○女優賞
宮沢りえ『紙の月』(吉田大八監督/日本)
○芸術貢献賞
『草原の実験』(アレクサンドル・コット監督/ロシア)
○WOWOW賞
『草原の実験』(アレクサンドル・コット監督/ロシア)
○観客賞
『紙の月』(吉田大八監督/日本)→公式HP
<アジアの未来部門>
○作品賞
『ゼロ地帯の子どもたち』(アミールフセイン・アシュガリ監督)
○国際交流基金アジアセンター特別賞
『遺されたフィルム』(ソト・クォーリーカー監督)
<日本映画スプラッシュ部門>
○作品賞
『百円の恋』(武正晴監督)→公式HP
○スペシャルメンション
『滝を見にいく』(沖田修一監督)→公式HP
<その他>
○サムライ賞
北野武
ティム・バートン
【新作レビュー】『ミッドナイト・アフター』フルーツ・チャン
『ミッドナイト・アフター』
(2014/香港)
監督:フルーツ・チャン
出演:サイモン・ヤム、ウォン・ヤウナム、ジャニス・マン、サム・リー
《感想》
登場人物たちが香港の街の喧騒の中を蠢き廻る冒頭シーンから、バスが走り出した途端に、登場人物たちの抜きにクレジットを合わせるオープニングシーンに、90年代の最も活き活きしていた時代の香港映画を思い出した。
そういえば、最近はめっきり香港映画の日本公開が少なくなり、少々寂しさを感じていたばかりだった。
今の香港映画界は、ジョニー・トーやダンテ・ラムらの硬派な秀作映画が多いイメージで、90年代後半に量産された、良い意味で突き抜けているアクションや、しょうもないコメディもあるのだろうが、日本を始めとしてほとんど輸出されていないのではなかろうか。
そんな中で、あの当時『メイド・イン・ホンコン』や『花火降る夏』、そして『ドリアンドリアン』で香港映画界を独走していたフルーツ・チャンが、久しぶりに香港で長編を撮ったと聞いたときから、妙に昂ぶるものがあった。
バスに乗り込んだ乗客たち。トンネルを抜けて目的地に到着すると、辺りは異様な光景であった。普段は人でごった返す香港の街の中に、車も人も何もかもがいなくなっているのである。携帯電話は通じるのに、誰も出ない。世界中のインターネットもある時間を境に更新されていない。彼らはお互いの連絡先を交換し解散すると、自ら事態を解明しようとする者や、離れた地に暮らす恋人に会いに行く者。そして、罪を犯す者。それぞれがそれぞれの方法で事態に直面し、次の日再び彼らは集まり、互いに真相を探ろうとするのである。
バスに乗った人々の映画といえば、まっさきにクリスチャン・レヴリングの『キング・イズ・アライブ』を思い出す。ゴーストタウンに迷い込んだ乗客たちが、極限状態下で「リア王」を演じるという奇抜な映画だ。しかし、本作はどちらかというと、飯田譲治の『ドラゴンヘッド』と、小説ではあるが東野圭吾の「パラドックス13」に近いものがある。
何故その事態が起こったのか、その伏線や鍵は無数に張り巡らされているが、この映画は結論を出さない。そもそもの発端だけでなく、細かい奇妙な現象さえも、ラストではすでにどうでもいいものになってしまうのである。
なんとも不思議な映画だ。
劇中で突如としてデヴィッド・ボウイの「Space Oddity」を歌いだすシーンがある。
昨年公開されたベルトルッチの『孤独な天使たち』の主題歌になったイタリア語版とは別の、彼の代表曲である。そういえば、ベン・スティラーの『LIFE!』でも効果的に使われていたが、本作ではそれも比ではない。クライマックスで再び流れる「Space Oddity」は、映画の興奮をより高める作用を持っていた。
社会的なエッセンスを取り入れて、登場人物が自ら罪人を裁く恐ろしい場面や、原発事故への言及がある一方で、往年の香港映画を思い出させるユーモアのセンスや、血なまぐさいスプラッター描写も交え、クライマックスのカーチェイス場面のようなアクションも備えながら、何故こんなにも泣かせてくるのだろうか。ラストで突然挿入される登場人物たちの回想シーンは、涙を堪え切れなくなる。
全部乗せのエンターテインメントの大傑作が久々に香港から生まれた。感無量である。
第27回東京国際映画祭(TIFF)レポート<短評/星取>
10/23〜10/31まで開催する、第27回東京国際映画祭(TIFF)のレポートを随時こちらにまとめて行こうと思います。
基本的にコンペティション部門を中心に、鑑賞作品の短評と星取り(★5つ満点)を書いていきます。
関連記事
コンペティション部門ラインナップ発表
「アジアの未来」「ワールドフォーカス」部門ラインナップ
<コンペティション部門>
『1001グラム』……★
短評:独特のベント・ハーメルのリズム感で、ミニシアターファンの心は掴むであろうが、それ以上の大きな爆発力は無く。ユーモラスさにも欠ける。
『神様なんかくそくらえ』……★
短評:いい意味でも悪い意味でも不愉快になる。80年代から90年代に作られたアメリカのインディペンデント映画を彷彿とさせつつも、パンチ力不足。これがグランプリとは……。
『アイス・フォレスト』……★★
短評:エミール・クストリツァが主演ということに対する違和感はさて置き、映像的な美しさは見事。プロットが少々地味すぎやしないだろうか。
『ロス・ホンゴス』……★★★★
短評:現在のアメリカや日本といった映画先進国では再現不可能な、生き生きとした青春ドラマ。音楽、アート、すべての分野において芸術的でパワフルであった。
『草原の実験』……★★★★★
短評:台詞を排除しての、映像の追求。映画的な表現に加えて、太陽を用いた遊びなど、かなり細部に至るまでこだわり抜かれている傑作。ラストの衝撃に言葉を失う。
『メルボルン』……★★
短評:『別離』の下位互換にすぎない。宗教的言及が乏しく、イラン映画の勢いはまだ衰えてはいないにしても、登場人物たちの人間性があまりにも不本意である。
『紙の月』……★★
短評:スローモーションの多様が物語の躍動感を削ぐ。宮沢りえの好演もさることながら、脇の演技陣が際立っている。原作からはかなり脚色されている印象。で、なぜ94年?
『破裂するドリアンの河の記憶』……★★★★
短評:マレーシアの新鋭による意欲作は、映画的表現が全面に押し出され、マレーシア映画の入門編としても十分なできばえ。もっとタイトにしたら尚更面白さが増すだろう。
『壊れた心』……★
短評:映像と、音楽。音楽と、映像。この一騎打ちで物語が入ってこない。台詞が少なく、クリストファー・ドイルのキャメラは巧いが、それに尽きる。
『遥かなる家』
『マルセイユ・コネクション』
『来るべき日々』
『ザ・レッスン/授業の代償』
『マイティ・エンジェル』
『ナバット』
<特別招待作品>
『もしも建物が話せたら』……★★
短評:あくまでもテレビ用ドキュメンタリーの領域から脱せず。肝心の建築物の歴史や風土などといった、もっとも興味をそそられる部分を重要視せず、安っぽい。ヴェンダースのパートは観る価値あり。
『花宵道中』……★
短評:撮影と照明は安定していたが、それ以外が酷い。とくに台詞の薄さ、プロットの陳腐さ。観ていられない。安達祐実以外に見所がない。
<ワールドフォーカス>
『共犯』……★★★★★
短評:台湾映画史にチャン・ロンジーの名前が刻まれるであろう大傑作。少女の自殺から始まる青春群像にもどかしさを感じ、現代的なアプローチと、古典的な方法論が融合した見事なプロットに悔しささえ感じる。
『黄金時代』……★★★★
短評:安定したアン・ホイの演出力に、180分弱の長さを感じない巧みな年代記。あらゆる登場人物たちの語りを中心とした作りが、若干のくどさを感じてしまうが、許容範囲内。
『ハングリー・ハーツ』……★★★★★
↑リンク参照
『フリー・フォール』……★★
短評:古典的なギャグを並べただけの、何だか低俗な作品ではあるが、前半のエピソードのシュールレアリスティックな感触は好印象。しかし、90分無いのに飽きる。
『ツーリスト』……★★★★
短評:シニカルな笑いと、苛立ちを感じさせながらも、映像的な反復と、音響の遊びで魅了する。オストリュンド監督ならではの、実験的でもありながら、非常に卓越した映画。
『ミッドナイト・アフター』……★★★★★
↑リンク参照
<CROSSCUT ASIA 魅惑のタイ>
『コンクリートの雲』……★
短評:長回しの演出が少々締まっていない。時代背景があまり感じられないことと、途中でカラオケ画面が始まることに退屈さを禁じ得ない。
短評:台詞を排除しての、映像の追求。映画的な表現に加えて、太陽を用いた遊びなど、かなり細部に至るまでこだわり抜かれている傑作。ラストの衝撃に言葉を失う。
『メルボルン』……★★
短評:『別離』の下位互換にすぎない。宗教的言及が乏しく、イラン映画の勢いはまだ衰えてはいないにしても、登場人物たちの人間性があまりにも不本意である。
『紙の月』……★★
短評:スローモーションの多様が物語の躍動感を削ぐ。宮沢りえの好演もさることながら、脇の演技陣が際立っている。原作からはかなり脚色されている印象。で、なぜ94年?
『破裂するドリアンの河の記憶』……★★★★
短評:マレーシアの新鋭による意欲作は、映画的表現が全面に押し出され、マレーシア映画の入門編としても十分なできばえ。もっとタイトにしたら尚更面白さが増すだろう。
『壊れた心』……★
短評:映像と、音楽。音楽と、映像。この一騎打ちで物語が入ってこない。台詞が少なく、クリストファー・ドイルのキャメラは巧いが、それに尽きる。
『遥かなる家』
『マルセイユ・コネクション』
『来るべき日々』
『ザ・レッスン/授業の代償』
『マイティ・エンジェル』
『ナバット』
<特別招待作品>
『もしも建物が話せたら』……★★
短評:あくまでもテレビ用ドキュメンタリーの領域から脱せず。肝心の建築物の歴史や風土などといった、もっとも興味をそそられる部分を重要視せず、安っぽい。ヴェンダースのパートは観る価値あり。
『花宵道中』……★
短評:撮影と照明は安定していたが、それ以外が酷い。とくに台詞の薄さ、プロットの陳腐さ。観ていられない。安達祐実以外に見所がない。
<ワールドフォーカス>
『共犯』……★★★★★
短評:台湾映画史にチャン・ロンジーの名前が刻まれるであろう大傑作。少女の自殺から始まる青春群像にもどかしさを感じ、現代的なアプローチと、古典的な方法論が融合した見事なプロットに悔しささえ感じる。
『黄金時代』……★★★★
短評:安定したアン・ホイの演出力に、180分弱の長さを感じない巧みな年代記。あらゆる登場人物たちの語りを中心とした作りが、若干のくどさを感じてしまうが、許容範囲内。
『ハングリー・ハーツ』……★★★★★
↑リンク参照
『フリー・フォール』……★★
短評:古典的なギャグを並べただけの、何だか低俗な作品ではあるが、前半のエピソードのシュールレアリスティックな感触は好印象。しかし、90分無いのに飽きる。
『ツーリスト』……★★★★
短評:シニカルな笑いと、苛立ちを感じさせながらも、映像的な反復と、音響の遊びで魅了する。オストリュンド監督ならではの、実験的でもありながら、非常に卓越した映画。
『ミッドナイト・アフター』……★★★★★
↑リンク参照
<CROSSCUT ASIA 魅惑のタイ>
『コンクリートの雲』……★
短評:長回しの演出が少々締まっていない。時代背景があまり感じられないことと、途中でカラオケ画面が始まることに退屈さを禁じ得ない。
第27回東京国際映画祭(TIFF)「アジアの未来」「ワールドフォーカス」部門ラインナップ紹介
つづいて、「アジアの未来部門」と「ワールドフォーカス部門」を軽く紹介します。
それぞれ、一覧と、注目作をピックアップしようと思います。
アジアの未来部門
『雲のかなた』“Above the Clouds”(フィリピン) 監督:ペペ・ジョクノ
長編デビュー作『Engkwentro』で2009年のヴェネツィア国際映画祭ルイジ・デ・ラウンレンティウス賞に輝いたペペ・ジョクノの新作。
『ツバメの喉が渇くとき』“As the Swallows Got Thirsty”(トルコ) 監督:ムハンメット・チャクラル
今年注目のトルコ映画界から、自然み豊かな作品。
『あの頃のように』“As You Were”(シンガポール) 監督:リャオ・チエカイ
2010年の全州国際映画祭で審査員特別賞に輝き、東京国際映画祭でも上映された『赤とんぼ』のリャオ・チエカイ監督の4年振りの新作です。
『ゼロ地帯の子供たち』“Borderless”(イラン) 監督:アミールフセイン・アシュガリ
名匠アボルファズル・ジャリリがサポートしている本作。子供を撮ることに長けているジャリリの空気感が何処まで出ているのか気になるところ。
『太陽を失って』“In the Absence of the Sun”(インドネシア) 監督:ラッキー・クスワンディ
成長著しいインドネシア映画界の期待の若手クスワンディの4年ぶりの新作。インドネシアでは6月に公開された。
『マンガ肉と僕』“Kyoto Elegy”(日本) 監督:杉野希妃
2年前に東京国際映画祭で特集上映が組まれた、女優から監督業やプロデュースまで幅広くこなす杉野希妃の長編監督デビュー作。
『遺されたフィルム』“The Last Reel”(カンボジア) 監督:ソト・クォーリーカー
こちらも急成長を遂げているカンボジア映画界から現れた女性監督クォーリーカーによる、「映画愛」の映画。
『メイド・イン・チャイナ』“Made in China”(韓国) 監督:キム・ドンフ
昨年の東京国際映画祭で話題になった『レッド・ファミリー』に引き続き、キム・ギドクが脚本を執筆した話題作。監督はギドクの『絶対の愛』で助監督を務めていたキム・ドンフ。
『北北東』“North by Northeast”(中国) 監督:チャン・ビンジエン
第15回福岡アジアフォーカスで上映された『窒息』のチャン・ビンジエンの新作。サスペンスコメディだそうです。
『ノヴァ〜UFOを探して〜』“Nova”(マレーシア) 監督:ニック・アミール・ムスタファ
UFO探しにいく青年たちの青春SFコメディ。なんだか意外と日本でソフト化とかされそうな雰囲気を持っている……。
以上10作品。すべて違う国から出品されているというバラエティに富んだラインナップです。
とくに注目なのは、シンガポールから来る『あの頃のように』でしょうか。
『メイド・イン・チャイナ』はチケット争奪戦になりそうですね。
個人的には『雲のかなた』も気になるところです。
ワールドフォーカス部門
『ツーリスト』“Turist” 監督:リューベン・オストルンド
<カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員特別賞>
<アカデミー賞外国語映画賞 スウェーデン代表作品>
『わかってもらえない』“Misunderstood” 監督:アーシア・アルジェント
<カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品>
『セルフ・メイド』“Self Maid” 監督:シーラ・ゲフェン
<カンヌ国際映画祭 批評家週間出品>
『実存を省みる枝の上の鳩』“A Pigeon Sat on a Branch Reflecting of Existence” 監督:ロイ・アンダーソン
<ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞>
『白夜と配達人』“The Postman's White Nights” 監督:アンドレイ・コンチャロフスキー
<ヴェネツィア国際映画祭 監督賞>
『ハングリー・ハーツ』“Hungry Hearts” 監督:サヴェリオ・コスタンツォ
<ヴェネツィア国際映画祭 男優賞・女優賞>
『闘犬シーヴァス』“Sivas” 監督:カーン・ミュジデジ
<ヴェネツィア国際映画祭 審査員特別賞>
『黄金時代』“The Golden Era” 監督:アン・ホイ
<ヴェネツィア国際映画祭 クロージング作品>
<アカデミー賞外国語映画賞 香港代表作品>
『シーズ・ファニー・ザット・ウェイ』“She's Funny that Way” 監督:ピーター・ボグダノビッチ
<ヴェネツィア国際映画祭 アウト・オブ・コンペ出品>
『コーン・アイランド』“Corn Island” 監督:ギオルギ・オヴァシヴィリ
<カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭グランプリ>
<アカデミー賞外国語映画賞 グルジア代表作品>
『フリー・フォール』“Free Fall” 監督:パールフィ・ジョルジ
<カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 監督賞>
『昔のはじまり』“From What is Before” 監督:ラヴ・ディアス
<ロカルノ国際映画祭 金豹賞>
『フラワーズ』“Flowers” 監督:ジョン・ガラニョ、ホセ・マリア・ゴエナガ
<サン・セバスチャン国際映画祭出品>
『ミッドナイト・アフター』“The Midnight After” 監督:フルーツ・チャン
<香港国際映画祭 オープニング作品>
『共犯』“Paetners in Crime” 監督:チャン・ロンジー
<台北映画祭 オープニング作品>
『リアリティ』“Reality” 監督:カンタン・デュピュー
『ヴォイス・オーヴァー』“Voice Over” 監督:クリスチャン・ヒメナス
『ワイルド・ライフ』“Wild Life” 監督:セドリック・カーン
『遺灰の顔』“The Face of the Ash” 監督:シャフワーン・イドレス
『アトリエの春』“Late Spring” 監督:チョ・グニョン
『オプーのうた 「大地のうた」その後』“Song of Apu” 監督:コウシク・ガングリ
『柔らかいステップ』“Tender are the Feet” 監督:マウン・ワナ
映画祭などで分けてみたので多少判りやすくなっているかと思います。
今回は、つい先日行われたヴェネツィア国際映画祭の金獅子、監督賞、男女優賞、審査員特別賞の作品や、カルロヴィヴァリとロカルノのグランプリ、近隣国の映画祭のオープニング作品といった、かなり豪華な顔ぶれ。
正直言うと、カンヌ組とベルリン組(まあベルリンは時期的に仕方ないが)が物足りない希もしますが。
カンヌのパルムドール『Winter Sleep』や、『Timbuktu』『White God』あたりが来てくれるかと思っていましたが、そうでもなく。
昨年4時間に渡る『北 歴史の終わり』が上映されたラヴ・ディアスが、今回は5時間半の作品で再上陸。しかも今回は上映機会が二回あるから安心ですね。
この部門での注目作は、もちろん金獅子の、と言いたいところですが、おそらく確実にロードショー公開すると思います。
5本選べと言われたら、
『ハングリー・ハーツ』
『ミッドナイト・アフター』
『共犯』
『闘犬シーヴァス』
『ツーリスト』
ですかね。
ちなみに、今回はタイ映画の特集上映もございます。
その中にある『先生の日記』をはじめとして、今回は上映作品の中にアカデミー賞外国語映画賞のエントリー作品が目立つ気がします。
タイ→『先生の日記』(CROSSCUT ASIA部門)
香港→『黄金時代』(ワールドフォーカス部門)
グルジア→『コーン・アイランド』(〃)
スウェーデン→『ツーリスト』(〃)
ノルウェー→『1001グラム』(コンペティション部門)
あ、5本しか無かったですね。
それぞれ、一覧と、注目作をピックアップしようと思います。
アジアの未来部門
『雲のかなた』“Above the Clouds”(フィリピン) 監督:ペペ・ジョクノ
長編デビュー作『Engkwentro』で2009年のヴェネツィア国際映画祭ルイジ・デ・ラウンレンティウス賞に輝いたペペ・ジョクノの新作。
『ツバメの喉が渇くとき』“As the Swallows Got Thirsty”(トルコ) 監督:ムハンメット・チャクラル
今年注目のトルコ映画界から、自然み豊かな作品。
『あの頃のように』“As You Were”(シンガポール) 監督:リャオ・チエカイ
2010年の全州国際映画祭で審査員特別賞に輝き、東京国際映画祭でも上映された『赤とんぼ』のリャオ・チエカイ監督の4年振りの新作です。
『ゼロ地帯の子供たち』“Borderless”(イラン) 監督:アミールフセイン・アシュガリ
名匠アボルファズル・ジャリリがサポートしている本作。子供を撮ることに長けているジャリリの空気感が何処まで出ているのか気になるところ。
『太陽を失って』“In the Absence of the Sun”(インドネシア) 監督:ラッキー・クスワンディ
成長著しいインドネシア映画界の期待の若手クスワンディの4年ぶりの新作。インドネシアでは6月に公開された。
『マンガ肉と僕』“Kyoto Elegy”(日本) 監督:杉野希妃
2年前に東京国際映画祭で特集上映が組まれた、女優から監督業やプロデュースまで幅広くこなす杉野希妃の長編監督デビュー作。
『遺されたフィルム』“The Last Reel”(カンボジア) 監督:ソト・クォーリーカー
こちらも急成長を遂げているカンボジア映画界から現れた女性監督クォーリーカーによる、「映画愛」の映画。
『メイド・イン・チャイナ』“Made in China”(韓国) 監督:キム・ドンフ
昨年の東京国際映画祭で話題になった『レッド・ファミリー』に引き続き、キム・ギドクが脚本を執筆した話題作。監督はギドクの『絶対の愛』で助監督を務めていたキム・ドンフ。
『北北東』“North by Northeast”(中国) 監督:チャン・ビンジエン
第15回福岡アジアフォーカスで上映された『窒息』のチャン・ビンジエンの新作。サスペンスコメディだそうです。
『ノヴァ〜UFOを探して〜』“Nova”(マレーシア) 監督:ニック・アミール・ムスタファ
UFO探しにいく青年たちの青春SFコメディ。なんだか意外と日本でソフト化とかされそうな雰囲気を持っている……。
以上10作品。すべて違う国から出品されているというバラエティに富んだラインナップです。
とくに注目なのは、シンガポールから来る『あの頃のように』でしょうか。
『メイド・イン・チャイナ』はチケット争奪戦になりそうですね。
個人的には『雲のかなた』も気になるところです。
ワールドフォーカス部門
『ツーリスト』“Turist” 監督:リューベン・オストルンド
<カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員特別賞>
<アカデミー賞外国語映画賞 スウェーデン代表作品>
『わかってもらえない』“Misunderstood” 監督:アーシア・アルジェント
<カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品>
『セルフ・メイド』“Self Maid” 監督:シーラ・ゲフェン
<カンヌ国際映画祭 批評家週間出品>
『実存を省みる枝の上の鳩』“A Pigeon Sat on a Branch Reflecting of Existence” 監督:ロイ・アンダーソン
<ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞>
『白夜と配達人』“The Postman's White Nights” 監督:アンドレイ・コンチャロフスキー
<ヴェネツィア国際映画祭 監督賞>
『ハングリー・ハーツ』“Hungry Hearts” 監督:サヴェリオ・コスタンツォ
<ヴェネツィア国際映画祭 男優賞・女優賞>
『闘犬シーヴァス』“Sivas” 監督:カーン・ミュジデジ
<ヴェネツィア国際映画祭 審査員特別賞>
『黄金時代』“The Golden Era” 監督:アン・ホイ
<ヴェネツィア国際映画祭 クロージング作品>
<アカデミー賞外国語映画賞 香港代表作品>
『シーズ・ファニー・ザット・ウェイ』“She's Funny that Way” 監督:ピーター・ボグダノビッチ
<ヴェネツィア国際映画祭 アウト・オブ・コンペ出品>
『十字架の道行き』“Stations of the Cross” 監督:ディートリッヒ・ブルッゲマン
<ベルリン国際映画祭 脚本賞>
<ベルリン国際映画祭 脚本賞>
『コーン・アイランド』“Corn Island” 監督:ギオルギ・オヴァシヴィリ
<カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭グランプリ>
<アカデミー賞外国語映画賞 グルジア代表作品>
『フリー・フォール』“Free Fall” 監督:パールフィ・ジョルジ
<カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 監督賞>
『昔のはじまり』“From What is Before” 監督:ラヴ・ディアス
<ロカルノ国際映画祭 金豹賞>
<サン・セバスチャン国際映画祭出品>
『ミッドナイト・アフター』“The Midnight After” 監督:フルーツ・チャン
<香港国際映画祭 オープニング作品>
『共犯』“Paetners in Crime” 監督:チャン・ロンジー
<台北映画祭 オープニング作品>
『リアリティ』“Reality” 監督:カンタン・デュピュー
『ワイルド・ライフ』“Wild Life” 監督:セドリック・カーン
『遺灰の顔』“The Face of the Ash” 監督:シャフワーン・イドレス
『アトリエの春』“Late Spring” 監督:チョ・グニョン
『オプーのうた 「大地のうた」その後』“Song of Apu” 監督:コウシク・ガングリ
『柔らかいステップ』“Tender are the Feet” 監督:マウン・ワナ
映画祭などで分けてみたので多少判りやすくなっているかと思います。
今回は、つい先日行われたヴェネツィア国際映画祭の金獅子、監督賞、男女優賞、審査員特別賞の作品や、カルロヴィヴァリとロカルノのグランプリ、近隣国の映画祭のオープニング作品といった、かなり豪華な顔ぶれ。
正直言うと、カンヌ組とベルリン組(まあベルリンは時期的に仕方ないが)が物足りない希もしますが。
カンヌのパルムドール『Winter Sleep』や、『Timbuktu』『White God』あたりが来てくれるかと思っていましたが、そうでもなく。
昨年4時間に渡る『北 歴史の終わり』が上映されたラヴ・ディアスが、今回は5時間半の作品で再上陸。しかも今回は上映機会が二回あるから安心ですね。
この部門での注目作は、もちろん金獅子の、と言いたいところですが、おそらく確実にロードショー公開すると思います。
5本選べと言われたら、
『ハングリー・ハーツ』
『ミッドナイト・アフター』
『共犯』
『闘犬シーヴァス』
『ツーリスト』
ですかね。
ちなみに、今回はタイ映画の特集上映もございます。
その中にある『先生の日記』をはじめとして、今回は上映作品の中にアカデミー賞外国語映画賞のエントリー作品が目立つ気がします。
タイ→『先生の日記』(CROSSCUT ASIA部門)
香港→『黄金時代』(ワールドフォーカス部門)
グルジア→『コーン・アイランド』(〃)
スウェーデン→『ツーリスト』(〃)
ノルウェー→『1001グラム』(コンペティション部門)
あ、5本しか無かったですね。
第27回東京国際映画祭(TIFF)コンペティション部門ラインナップ発表!
10/23から開催される、東京国際映画祭のラインナップが発表されました。
まずは、コンペティション部門の15本から紹介致します。
タイトル部分をクリックすると、東京国際映画祭の公式ホームページにジャンプします。
スケジュールはそちらで確認してください。
それぞれ作品解説の最後に「日本公開予想」と「必見度」(この映画祭で観るべきか否か)を私見で書いておりますので、参考までにどうぞ。
『1001グラム』“1001 grams”
(2014年/ノルウェー・ドイツ・フランス/93分)
監督:ベント・ハーメル
出演:マグネ=ホーヴァルト・ブレッケ、ペール・クリスティアン・エルフセン
<解説>
日本でもお馴染みのベント・ハーメル監督の最新作です。
長編監督第7作目である本作。今のところ『卵の番人』『キッチン・ストーリー』『ホルテンさんはじめての冒険』『クリスマスのその夜に』の4本が日本で公開されているので、おそらくこの作品も日本公開はすると思われます。
今年のアカデミー賞外国語映画賞のノルウェー代表に選ばれている作品で、有力候補のひとつですから、早めに押さえておきたい人は必見でしょう。
現地ノルウェーで9月23日に公開されたばかり。
主演はミア・ハンセン=ラヴの『グッバイ・ファーストラブ』のロレンツ役が記憶に新しい、マグネ=ホーヴァルト・ブレッケです。
日本公開予想……★★★★★
必見度……★★★★
『マルセイユ・コネクション』“The Connection”
(2014年/フランス・ベルギー/135分)
監督:
セドリック・ジメネス
出演:ジャン・デュジャルダン、ブノワ・マジメル、ジル・ルルーシュ
『アーティスト』でアカデミー賞に輝いたジャン・デュジャルダン。彼もこんな真面目な役ができるみたいです(笑)
先日のトロント国際映画祭でお披露目された本作は、今をときめくフランスの個性派俳優三人の共演で話題に。フランスもベルギーも公開は12月ですので、ここで観ると得した気分になれるかも。
監督がさほど有名な人ではないですが、プロデューサーもこなすマルチプレイヤー。この三人の共演ですから、劇場公開もしくは最悪でもDVDスルーで日本に来る可能性は非常に高いと思われます。
日本公開予想……★★★★
必見度……★★★★
『来るべき日々』“The Days Come”
(2014年/フランス/85分)
監督:ロマン・グーピル
出演:ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ジャッキー・ベロワイエ、ロマン・グーピル
2010年の東京国際映画祭WORLD CINEMA部門で上映された『ハンズ・アップ!』のロマン・グーピル監督×ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ主演のコンビが4年振りに東京国際映画祭に帰ってきました。
監督のロマン・グーピルは、役者業もこなしていて、本作でもメインロールで出演。そういえば、彼の監督作品はまだ日本では公開されていないけれど、彼の出演する作品はちらほらロードショー公開されていましたね。(カトリーヌ・ブレイヤの『処女』とか。かなり前だけど)
日本公開予想……★★
必見度……★★★★
『神様なんかくそくらえ』“Heaven Knows What”
(2014年/アメリカ・フランス/93分)
監督:ジョシュア・サフディ&ベニー・サフディ
出演:エレノア・ヘンドリクス、アリエル・ホームズ、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
ヴェネツィア、トロント、リオ、ニューヨークと世界中の映画祭を回って満を持して東京に上陸するサフディ兄弟の新作。これまで短編やドキュメンタリーなどでキャリアを積んできた彼らは、代表作である『Go Get Some Rosemary』でインディペンデントスピリッツアワードのジョン・カサヴェテス賞に輝いた実績を持つニューヨークインディの新鋭。
出演にはインディー系役者が顔を並べるが、先日日本でも公開された『アンチヴァイラル』の特徴的な顔が印象に残る、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズが出演しているようだ。
日本公開予想……★★
必見度……★★★
『アイス・フォレスト』“Ice Forest”
(2014年/イタリア/107分)
監督:クラウディオ・ノーチェ
出演:エミール・クストリッツァ、アドリアーノ・ジャンニーニ
最近もっぱら俳優業に精を出している名監督クストリッツァ。そんな名監督を使うのが39歳のイケメン監督クラウディオ・ノーチェ。短編を中心に活動を続けてきた彼の、長編二作目が本作。
共演にはジャンカルロ・ジャンニーニの息子であるアドリアーノ・ジャンニーニ。
なかなか興味深いキャスティングで、イタリア国外での上映は今回が初めて。
日本公開予想……★★
必見度……★★★★★
『ザ・レッスン/授業の代償』“The Lesson”
(2014年/ブルガリア・ギリシャ/105分)
監督:クリスティナ・グロゼヴァ、ベタル・ヴァルチャノフ
出演:イヴァン・バルネフ、イヴァンカ・ブラトエヴァ
昨年のベルリン国際映画祭で、優秀な企画に援助を行うというARTEinternational prizeに選ばれて 制作された本作。
すでにトロントをはじめサン・セバスチャンなどの映画祭で上映されております。
東京の少し前には、ワルシャワ国際映画祭での上映が決まっておりまして、注目度は非常に高い一本でしょう。
なんかTIFFって女教師ものの映画しょっちゅうやっているような気が……(『イエロー』とか『隠れた瞳』とかさ……)
日本公開予想……★
必見度……★★★★
『ロス・ホンゴス』“Los Hongos”
(2014年/コロンビア・フランス・ドイツ・アルゼンチン/103分)
監督:オスカル・ルイス・ナビア
出演:ヨバン・アレキシス・マルキネス、カルヴァン・ブエナヴェントゥラ
8月に行われたロカルノ国際映画祭で、フィルムメーカーズ・オブ・ザ・プレゼントコンペティション部門で審査員特別賞に輝き、注目を集めている本作。
オスカル・ルイス・ナビア監督は長編デビュー作『El vuelco del Cangrejo』でもベルリン国際映画祭のFIPRESCI賞に輝くなど、コロンビア映画界を担う若手監督。
日本公開予想……★
必見度……★★★★★
『メルボルン』“Melbourne”
(2014年/イラン/91分)
監督:ニマ・ジャウィディ
出演:ネガル・ジャヴァへリアン、ペイマン・モアディ
毎年秀作を送り出すイラン映画から、今年はこの映画がコンペにエントリー。
ベネチア国際映画祭の国際批評家週間のオープニング作品に選ばれた本作は、メルボルンへ出国する直前の夫婦が事件に巻き込まれるという内容らしいが……。あれ、なんだか『別離』に似てる。
てか、『別離』の旦那さん役を演じていたペイマン・モアディですね。彼の次回作は紀里谷和明の撮るアメリカ映画らしいですけど。
日本公開予想……★★
必見度……★★
『マイティ・エンジェル』“The Mighty Angel”
(2014/ポーランド/110分)
監督:ヴォイテク・スマルゾフスキ
出演:ロヴェルト・ヴィエツキーヴィッチ、ユリア・キジョフスカ
第22回のコンペティション部門で上映された『ダークハウス/暗い家』のヴォイテク・スマルゾフスキ監督の新作。
ポーランド国内の映画祭では『Wasele』、『ダークハウス/暗い家』、『Rosa』と三本続けて何かしらの賞を受賞しているという十割バッター。
本作では『ソハの地下水道』のロヴェルト・ヴィエツキーヴィッチがアルコール依存症の作家を演じている。
日本公開予想……★★
必見度……★★
『ナバット』“Nabat”
(2014年/アゼルバイジャン/106分)
監督:エルチン・ムサオグル
出演:ファテメー・モタメッド・アーヤ、ヴィダディ・アリイェフ
こちらは極めて珍しいアゼルバイジャン映画。アゼルバイジャンの映画と聞いて、思い浮かぶものがまったくないのですが、それでもソ連からの独立から23年で、少なくともimdBには170本近くのアゼルバイジャン映画が記録されておりますから、年間10本近くは作られているのでしょう。
今年のヴェネツィア国際映画祭のオリゾンティ部門で上映されていた本作。おそらく日本公開はしないのでは……
日本公開予想……★
必見度……★★★★★
『紙の月』“Pale Moon”
(2014年/日本/126分)
監督:吉田大八
出演:宮沢りえ、池松壮介、大島優子
今年のコンペティション日本代表は本作。
『桐島、部活やめるってよ』で賞レースを総なめにした吉田監督の元に、『オリオン座からの招待状』以来の映画主演となる宮沢りえ。
まあ、すぐ公開するんですけどね……。
ところで、「紙の月」なのに「ペーパームーン」じゃないの?←散々出てきてるネタ
『破裂するドリアンの河の記憶』“River of Exploding Durians”
(2014年/マレーシア/126分)
監督:エドモンド・ヨウ
出演:チュウ・チーイン、ジョーイ・レオン
もうタイトルのインパクトだけだったらこれがグランプリでいいんじゃないでしょうか←
作品の雰囲気的にも、個人的にはこの15本の中で一番好きそう。
第24回東京国際映画祭や、去年のシネ・マレーシアと銘打ったマレーシア映画特集の中で短編が特集上映されたエドモンド・ヨウ。今まで最長で60分の映画しか撮ってこなかった彼が、初めて挑んだ長編映画で、なんと9月に入って完成したばかりの映画だそうです(エドモンド監督のブログ参照)。
日本公開予想……★
必見度……★★★★
『遥かなる家』“River Road”
(2014年/中国/102分)
監督:リー・ルイジン
まったくデータが無かったので、色々割愛させていただいておりますが、監督のリー・ルイジンはこれが5作目となる(一本はオムニバス映画だけど)。まだ31歳の若手監督ではあるが、中国社会を真正面から捕えた人間ドラマに長けている監督のようだ。
ドーヴィル国際映画祭や、香港国際映画祭に出品歴はあるが、未だ受賞経歴はなく、今後どう伸びていくのか注目したいところである。
日本公開予想……★★
必見度……★★
『壊れた心』“Ruined Heart”
(2014年/マレーシア・ドイツ/73分)
監督:ケヴィン・デ・ラ・クルス
出演:浅野忠信
こちらも写真等のデータが無かったので割愛させていただきます。
ケヴィン・デ・ラ・クルスは41歳でありながら、この10年で40本近い作品を生み出す多作家。
2012年にベルリンの短編部門に出品された作品が同じタイトルなので、もしかするとこれはセルフリメイク作品なのかもしれません。
カメラマンにはクリストファー・ドイル。浅野忠信はすっかり国際派俳優に成長しましたね。
日本公開予想……★★★
必見度……★★★★
『草原の実験』“Test”
(2014年/ロシア/95分)
監督:アレクサンドル・コット
出演:エレナ・アン、ダニエル・ラッソマクヒーン、カリム・パカチャコフ
日本では『現代の英雄』『PQ-17』といったTVシリーズがソフト化しているアレクサンドル・コット。2000年には『Pugalo』でベルリン国際映画祭の短編部門でドイツ児童基金特別賞を受賞している実績の持ち主である。
予告編を観るかぎり、すごく良い映像の作り方をしているので、これは観ておきたい作品である。
日本公開予想……★
必見度……★★★★★
まずは、コンペティション部門の15本から紹介致します。
タイトル部分をクリックすると、東京国際映画祭の公式ホームページにジャンプします。
スケジュールはそちらで確認してください。
それぞれ作品解説の最後に「日本公開予想」と「必見度」(この映画祭で観るべきか否か)を私見で書いておりますので、参考までにどうぞ。
『1001グラム』“1001 grams”
(2014年/ノルウェー・ドイツ・フランス/93分)
監督:ベント・ハーメル
出演:マグネ=ホーヴァルト・ブレッケ、ペール・クリスティアン・エルフセン
<解説>
日本でもお馴染みのベント・ハーメル監督の最新作です。
長編監督第7作目である本作。今のところ『卵の番人』『キッチン・ストーリー』『ホルテンさんはじめての冒険』『クリスマスのその夜に』の4本が日本で公開されているので、おそらくこの作品も日本公開はすると思われます。
今年のアカデミー賞外国語映画賞のノルウェー代表に選ばれている作品で、有力候補のひとつですから、早めに押さえておきたい人は必見でしょう。
現地ノルウェーで9月23日に公開されたばかり。
主演はミア・ハンセン=ラヴの『グッバイ・ファーストラブ』のロレンツ役が記憶に新しい、マグネ=ホーヴァルト・ブレッケです。
日本公開予想……★★★★★
必見度……★★★★
『マルセイユ・コネクション』“The Connection”
(2014年/フランス・ベルギー/135分)
出演:ジャン・デュジャルダン、ブノワ・マジメル、ジル・ルルーシュ
『アーティスト』でアカデミー賞に輝いたジャン・デュジャルダン。彼もこんな真面目な役ができるみたいです(笑)
先日のトロント国際映画祭でお披露目された本作は、今をときめくフランスの個性派俳優三人の共演で話題に。フランスもベルギーも公開は12月ですので、ここで観ると得した気分になれるかも。
監督がさほど有名な人ではないですが、プロデューサーもこなすマルチプレイヤー。この三人の共演ですから、劇場公開もしくは最悪でもDVDスルーで日本に来る可能性は非常に高いと思われます。
日本公開予想……★★★★
必見度……★★★★
『来るべき日々』“The Days Come”
(2014年/フランス/85分)
監督:ロマン・グーピル
出演:ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ジャッキー・ベロワイエ、ロマン・グーピル
2010年の東京国際映画祭WORLD CINEMA部門で上映された『ハンズ・アップ!』のロマン・グーピル監督×ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ主演のコンビが4年振りに東京国際映画祭に帰ってきました。
監督のロマン・グーピルは、役者業もこなしていて、本作でもメインロールで出演。そういえば、彼の監督作品はまだ日本では公開されていないけれど、彼の出演する作品はちらほらロードショー公開されていましたね。(カトリーヌ・ブレイヤの『処女』とか。かなり前だけど)
日本公開予想……★★
必見度……★★★★
『神様なんかくそくらえ』“Heaven Knows What”
(2014年/アメリカ・フランス/93分)
監督:ジョシュア・サフディ&ベニー・サフディ
出演:エレノア・ヘンドリクス、アリエル・ホームズ、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
ヴェネツィア、トロント、リオ、ニューヨークと世界中の映画祭を回って満を持して東京に上陸するサフディ兄弟の新作。これまで短編やドキュメンタリーなどでキャリアを積んできた彼らは、代表作である『Go Get Some Rosemary』でインディペンデントスピリッツアワードのジョン・カサヴェテス賞に輝いた実績を持つニューヨークインディの新鋭。
出演にはインディー系役者が顔を並べるが、先日日本でも公開された『アンチヴァイラル』の特徴的な顔が印象に残る、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズが出演しているようだ。
日本公開予想……★★
必見度……★★★
『アイス・フォレスト』“Ice Forest”
(2014年/イタリア/107分)
監督:クラウディオ・ノーチェ
出演:エミール・クストリッツァ、アドリアーノ・ジャンニーニ
最近もっぱら俳優業に精を出している名監督クストリッツァ。そんな名監督を使うのが39歳のイケメン監督クラウディオ・ノーチェ。短編を中心に活動を続けてきた彼の、長編二作目が本作。
共演にはジャンカルロ・ジャンニーニの息子であるアドリアーノ・ジャンニーニ。
なかなか興味深いキャスティングで、イタリア国外での上映は今回が初めて。
日本公開予想……★★
必見度……★★★★★
『ザ・レッスン/授業の代償』“The Lesson”
(2014年/ブルガリア・ギリシャ/105分)
監督:クリスティナ・グロゼヴァ、ベタル・ヴァルチャノフ
出演:イヴァン・バルネフ、イヴァンカ・ブラトエヴァ
昨年のベルリン国際映画祭で、優秀な企画に援助を行うというARTEinternational prizeに選ばれて 制作された本作。
すでにトロントをはじめサン・セバスチャンなどの映画祭で上映されております。
東京の少し前には、ワルシャワ国際映画祭での上映が決まっておりまして、注目度は非常に高い一本でしょう。
なんかTIFFって女教師ものの映画しょっちゅうやっているような気が……(『イエロー』とか『隠れた瞳』とかさ……)
日本公開予想……★
必見度……★★★★
『ロス・ホンゴス』“Los Hongos”
(2014年/コロンビア・フランス・ドイツ・アルゼンチン/103分)
監督:オスカル・ルイス・ナビア
出演:ヨバン・アレキシス・マルキネス、カルヴァン・ブエナヴェントゥラ
8月に行われたロカルノ国際映画祭で、フィルムメーカーズ・オブ・ザ・プレゼントコンペティション部門で審査員特別賞に輝き、注目を集めている本作。
オスカル・ルイス・ナビア監督は長編デビュー作『El vuelco del Cangrejo』でもベルリン国際映画祭のFIPRESCI賞に輝くなど、コロンビア映画界を担う若手監督。
日本公開予想……★
必見度……★★★★★
『メルボルン』“Melbourne”
(2014年/イラン/91分)
監督:ニマ・ジャウィディ
出演:ネガル・ジャヴァへリアン、ペイマン・モアディ
毎年秀作を送り出すイラン映画から、今年はこの映画がコンペにエントリー。
ベネチア国際映画祭の国際批評家週間のオープニング作品に選ばれた本作は、メルボルンへ出国する直前の夫婦が事件に巻き込まれるという内容らしいが……。あれ、なんだか『別離』に似てる。
てか、『別離』の旦那さん役を演じていたペイマン・モアディですね。彼の次回作は紀里谷和明の撮るアメリカ映画らしいですけど。
日本公開予想……★★
必見度……★★
『マイティ・エンジェル』“The Mighty Angel”
(2014/ポーランド/110分)
監督:ヴォイテク・スマルゾフスキ
出演:ロヴェルト・ヴィエツキーヴィッチ、ユリア・キジョフスカ
第22回のコンペティション部門で上映された『ダークハウス/暗い家』のヴォイテク・スマルゾフスキ監督の新作。
ポーランド国内の映画祭では『Wasele』、『ダークハウス/暗い家』、『Rosa』と三本続けて何かしらの賞を受賞しているという十割バッター。
本作では『ソハの地下水道』のロヴェルト・ヴィエツキーヴィッチがアルコール依存症の作家を演じている。
日本公開予想……★★
必見度……★★
『ナバット』“Nabat”
(2014年/アゼルバイジャン/106分)
監督:エルチン・ムサオグル
出演:ファテメー・モタメッド・アーヤ、ヴィダディ・アリイェフ
こちらは極めて珍しいアゼルバイジャン映画。アゼルバイジャンの映画と聞いて、思い浮かぶものがまったくないのですが、それでもソ連からの独立から23年で、少なくともimdBには170本近くのアゼルバイジャン映画が記録されておりますから、年間10本近くは作られているのでしょう。
今年のヴェネツィア国際映画祭のオリゾンティ部門で上映されていた本作。おそらく日本公開はしないのでは……
日本公開予想……★
必見度……★★★★★
『紙の月』“Pale Moon”
(2014年/日本/126分)
監督:吉田大八
出演:宮沢りえ、池松壮介、大島優子
今年のコンペティション日本代表は本作。
『桐島、部活やめるってよ』で賞レースを総なめにした吉田監督の元に、『オリオン座からの招待状』以来の映画主演となる宮沢りえ。
まあ、すぐ公開するんですけどね……。
ところで、「紙の月」なのに「ペーパームーン」じゃないの?←散々出てきてるネタ
『破裂するドリアンの河の記憶』“River of Exploding Durians”
(2014年/マレーシア/126分)
監督:エドモンド・ヨウ
出演:チュウ・チーイン、ジョーイ・レオン
もうタイトルのインパクトだけだったらこれがグランプリでいいんじゃないでしょうか←
作品の雰囲気的にも、個人的にはこの15本の中で一番好きそう。
第24回東京国際映画祭や、去年のシネ・マレーシアと銘打ったマレーシア映画特集の中で短編が特集上映されたエドモンド・ヨウ。今まで最長で60分の映画しか撮ってこなかった彼が、初めて挑んだ長編映画で、なんと9月に入って完成したばかりの映画だそうです(エドモンド監督のブログ参照)。
日本公開予想……★
必見度……★★★★
『遥かなる家』“River Road”
(2014年/中国/102分)
監督:リー・ルイジン
まったくデータが無かったので、色々割愛させていただいておりますが、監督のリー・ルイジンはこれが5作目となる(一本はオムニバス映画だけど)。まだ31歳の若手監督ではあるが、中国社会を真正面から捕えた人間ドラマに長けている監督のようだ。
ドーヴィル国際映画祭や、香港国際映画祭に出品歴はあるが、未だ受賞経歴はなく、今後どう伸びていくのか注目したいところである。
日本公開予想……★★
必見度……★★
『壊れた心』“Ruined Heart”
(2014年/マレーシア・ドイツ/73分)
監督:ケヴィン・デ・ラ・クルス
出演:浅野忠信
こちらも写真等のデータが無かったので割愛させていただきます。
ケヴィン・デ・ラ・クルスは41歳でありながら、この10年で40本近い作品を生み出す多作家。
2012年にベルリンの短編部門に出品された作品が同じタイトルなので、もしかするとこれはセルフリメイク作品なのかもしれません。
カメラマンにはクリストファー・ドイル。浅野忠信はすっかり国際派俳優に成長しましたね。
日本公開予想……★★★
必見度……★★★★
『草原の実験』“Test”
(2014年/ロシア/95分)
監督:アレクサンドル・コット
出演:エレナ・アン、ダニエル・ラッソマクヒーン、カリム・パカチャコフ
日本では『現代の英雄』『PQ-17』といったTVシリーズがソフト化しているアレクサンドル・コット。2000年には『Pugalo』でベルリン国際映画祭の短編部門でドイツ児童基金特別賞を受賞している実績の持ち主である。
予告編を観るかぎり、すごく良い映像の作り方をしているので、これは観ておきたい作品である。
日本公開予想……★
必見度……★★★★★
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